Published by Yoshimi on 2006.09.01
気ままにおでかけ/念願の、サンドキャッスルコンテスト出場
あれはちょうど2年前のことでした。「なんだか面白そうなイベントがあるらしい」と、友人と私(プラス子ども4人)がベルマーに行ったのは・・・。そこでサンドキャッスルコンテストというものを初めて見て、めっちゃ面白いやん!と感動し、いつかこのコンテストに参加してみたいなぁと思いながら家に帰ったのを、今でも忘れられません(その模様は「おでかけ/サンドキャッスル・コンテストの巻」に掲載)。サンドキャッスルコンテストとは「さっぽろ雪祭り」で見られる氷の彫刻を砂でやったもの、と思っていただけるといいでしょう。つまり、砂を固めて何かの作品を作って、コンテストで競うのです。キャッスル(城)といいながらもコンテストで作られる作品はユニークそのもの。2年前にはサメやらオオカミやらロブスターやらボーリングやら、思わず「面白い!」と唸るばかりのものが並んでいました。
今年7月に入ったある日、プリンストンに住むたんぽぽスタッフ達と話をしている最中ふいにコンテストが近いことを思い出し、「なぁ、もうすぐベルマーでサンドキャッスルコンテストがあるんやけど、興味ない?」と聞いてみたところ、「あります!」との答え。んじゃ一緒に参加しようよ、ということになり、たんぽぽプリンストンスタッフチーム(妊娠8ヶ月のR、A、K、その友達Y、カメラ担当Sと私の5名)を結成して、念願のコンテスト出場となりました!
このコンテスト、出場といっても大がかりなものではなく、当日会場に行って名前と住所と紙に記入するだけ。事前申請も費用もかからないのです。でも何を作るかは事前に考えねばということで、作戦会議を開きました。Aの提案で「日本的なものにしよう」ということになり、浮世絵の中でもアメリカ人が知っていそうな北斎・富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」(波がどっぱーんと荒れているやつ)に決定!・・・しかし、あのでっかい波をどうやって表現すんの?みんなで考えてもさっぱりイメージが湧かず、「当日会場に行ってから考えよか」ということになりました。
さてコンテスト当日の7月12日(水)。作品の製作時間は朝の8時から12時までとなっています。プリンストンからベルマーまでは車で1時間弱なので、朝7時私の家に参加者(とその子ども達)が集合。この日のために作った、胸に北斎の波の絵と「たんぽぽ」の文字をあしらった特製チームTシャツを着用し、会場めざして出発しました。持ち物は大きな雪かきスコップ、小さな園芸用スコップ、粘土遊び用のプラスチックナイフ、バケツ数個、それから北斎の浮世絵の図面です。コンテストは7歳以下の部、8-12歳の部、13-15歳の部、16歳以上の部、サマーキャンプの部、ファミリーの部と分かれており、私達は16歳以上の部で登録。するとエントリー番号である14が書かれた赤い小さな三角の旗が手渡され、作品の横に立てておくように言われました。
インターネットで調べたところ、サンドキャッスルを作るには「濡れた砂を使う」のがポイントらしい。そこで波打ち際に場所取りしようとしたら、「10時になったら満ち潮でその辺りは水に浸かるかもしれないよ」と近くの人からありがたいアドバイス。せっかく作った作品が途中で波でつぶされてはかなわんと、ちょっと陸寄りの場所に移動しました。そして雪かきスコップを手に、作品をイメージしながら砂山を作り始めました。ともかく砂をすくっては盛り、すくっては盛り、の繰り返し。砂は思っていた以上に重かった!「どうせ雪かきみたいなもんでしょ、だったらいつもやっているから大丈夫」と思っていましたが、ニュージャージーの雪はよく考えたらさらさら雪でそんなに重くないのです・・・甘かったなぁ。Yはがんばりすぎて手に豆ができ皮がむけました。
作品をイメージしながら砂山を作ること1時間。次はこの砂山に海水をかけて固めていきます。子ども達も手伝わせて、せっせと波打ち際にバケツを持って行き、海水を汲んできては砂山にかけます。これも結構大変で、バケツが大きすぎると海水を汲んだら重くなって運べなかったりバケツが壊れたりし、小さくても量が稼げない。結局中くらいのバケツを2つ両手に持って汲むのが一番ということがわかりました。それにしても、この「砂盛り」と「水かけ」の2つの作業は、めちゃめちゃ重労働!なのによく女性5人で作りに来たなぁ、と思いました。あちこちで男の人が活躍している姿を見て、「誰かこっちに手伝いに来てくれますように!」と念力を送ろうかと思ったくらいです。
ある程度砂が湿って、砂山が落ち着き固まってきたので、細かい形を作っていきました。このあたりから、各チームの工夫が発揮されるところ。山の表面をなめらかにするのに、壁塗りするときに使うコテでペタペタとするところもあれば、サーフボードに乗って砂山の上から滑り降りてなめらかにするところもありました。我がチームは大波の部分を胸の高さまで盛り上げ、その大きさに合わせて富士山や他の波を形作り、ある程度の形ができたら海水をバシャバシャかけてさらに固め、手で表面をなめらかにしていきました。大きな波の部分は、高く高く積み上げるようにしなければならなかったため、途中から砂と海水を混ぜてセメント状にし、それをぺったんぺったんと積み上げていきました。
さていよいよ最大の難関である波の表現の段階にさしかかり、園芸用のスコップと粘土遊び用のプラスチックナイフを取り出して彫り始めました。まさに「砂の彫刻」です。でもこれは失敗したら後戻りができないだけに、みんなドキドキ、ナイフを持つ手も震えそうです。後ろからバランスを見ながらちょこちょこと削っていったのですが、少しえぐりすぎて大波の一部がガシャッと崩れてしまいました。一瞬どうしようと焦ったのですが、よく見ると崩れ方がまさに荒波といった雰囲気を醸し出していて、こっちの方がさっきよりいいやん!まさに怪我の功名です。そこでその崩れ具合を保ちつつ更に慎重に彫り進みました。そして下に”WAVE”とタイトルを書き、作品の周りをホウキでならしたところで、12時タイムアウト!
12時から1時まではジャッジタイム。審査員が砂浜を回って作品を審査していきます。その間に私たちも他の作品を見物に行きました。難破船と人食いサメ(下写真・上)、大きなサンタクロース、見ザル聞かザル言わザル(下写真・下)、スーパーマンのロゴ、パンテオン競技場、海賊のドクロ、宝箱、ジャイアンツスタジアム、火山など、今年もアイデアいっぱいの作品が並んでいました。
受付のあるテントの前では、審査が終わるまでDJによるダンス大会が行われ、子ども達がマカレナやYWCA、チキンダンスなどを楽しそうに踊っていました。それが終わっていよいよ審査結果発表。ドキドキして呼ばれるのを待っていたのですが・・・惜しくも入賞とはなりませんでした。でも、女性だけでの初参加で、行き当たりばったりで作った作品にしてはいい線いったのではないかなぁ。ちなみにうちの息子(5歳)は、こんなに頑張ったんだから必ずトロフィーがもらえると信じ込んでいたようで、落選したのがわかった途端に大泣き、15分くらい泣き止みませんでした。
・・・それにしてもこんなに夢中に、そして真剣に泥遊びして、本当――に楽しかったです。これは子ども向けのイベントじゃあないですよ。ほんとに大人こそ楽しめるイベントです。見るだけでも楽しいのですが、作ったら自分の作品だけでなく他の作品もより楽しめるから、見るだけよりも何倍も楽しいのがよくわかりました。ともかくこのコンテストは「アイデア勝負」です。彫刻のディテールに凝るよりも、誰が見てもわかりやすくシンプルな作りにし、小道具で盛り上げる方が受けがいいようです。それからやっぱり大きなものの方が迫力があって受けますね。今回優勝した作品は大学生の男女10名くらいで製作したもので、バンの車一台分くらいの大きさがありました。女5名では、到底そんな大きさのものは作れません。大きな作品を作るにはやはり男手が必要だと痛感しました。一緒に参加してくれた人は皆、「楽しかった!来年も絶対出たい!でもそのときは、作戦会議を綿密にして、なんとかだんな衆に休みを取ってもらって来てもらいたいな・・・」と言っていました。
ということで、来年もきっと出るぞ!・・・出たいな・・・出れたらいいな・・・。
The Borough of Belmar/Sandcastle Contest 2006
http://www.belmar.com/Default.asp?Section_ID=522
The New Jersey Sandcastle Contest
http://njsandcastle.com
(おしゃべりたんぽぽ2006年9,10月号)
