サンドキャッスルコンテストとベルマー

ありがたいことに、前回のブッシュキル・フォールが好評だったとのことで、K編集長より「あんた、連載やってもいいよ」と言われました。ということで、前号で「歩くNJ観光局」と名乗った私よしみが、これから皆さんを「出かけたい!」という気にさせるお出かけネタを披露していこうと思いますんで、よろしくお願いしまーす。

・・・とあいさつはこの程度にして、さっそくですがお詫びと訂正があります。前号ブッシュキルフォールズの記事で、滝の高さを「100フィート(300メートル)」と記述しました。数字に敏感な読者の皆さんはすでにお気づきかと思いますが、そうなんです。1フィートは約30センチ、ということは100フィートは約30メートルでした。だいたいあのナイアガラの滝でも、300メートルはないですよねぇ。私が調べたところでは、アメリカ滝で34メートル、カナダ滝で54メートルとありました。「あんた300メートルの滝なんて、あるわけないやろぉ!!」と、きっと皆さんは心の中でこっそり突っ込みを入れてくださったに違いない・・・なんて優しいんでしょう。感謝です。

さて、本題に入りましょう。今回のおでかけは「ベルマー」です。そう、ベルマーと言えば、前回ジャージーショア特集で真っ先にあげたショアスポット。あの記事をきっかけに、私はすっかりベルマーの虜になってしまいました。なんてったって、ベルマーで創業75年の老舗、Klien’s で取材の時に食べた生のクラムの味が、素晴らしかったのです!今まで私は、アメリカでクラムを積極的に食べたことはありません。一度ボストンの某有名シーフードレストランでスチームドクラムを頼んだら、砂でじゃりじゃりして、くさくて食べられなかった経験があるからです。しかしここは違いました。ミディアムサイズのクラム・オン・ザ・ハーフシェルを頼み、きゅっとレモンを絞って口に運んだ時のぷりっとつるっとこりっと感、そして濃厚でさわやかな潮の香り!「うおぉっ」と思わず叫んで、あまりにもおいしくて子どもと取り合いながら、貝に残った汁もすっかり飲み干してあっという間に1ダースを平らげてしまいました。一緒に頼んだ生のオイスターが、かすんだくらいでした。あまりにもおいしかったので、だんなに食べさせてあげたいと思い、レストランに隣接するフィッシュマーケットでクラムを買って帰りました(そんなこともあろうかとちゃんとクーラーボックスを用意していた私もえらい!)。そしてだんなに食べさせたところ、「おい、お前これ醤油たらして食ってみたか。すごいぞ。この味は、あわびの刺身に匹敵するぞ」と言うではないですか!さっそく醤油をたらして食べてみると、「うぅっ!」と今度は言葉を発することができずに身悶えてしまいました。この潮の香りと醤油のふくよかな香りの融合は、もう日本人の脳天を直撃します。ほんまにそれくらい、すごかった。

スーパーの魚売り場に行っても、まず生食のクラムは手に入りません。シーフードレストランに行っても、スチームクラムはあっても、ロークラムはあまり見かけません。たぶん、鮮度がよくないとくさくて食べられなくなってしまうのでしょう。だから生のクラムは、海辺で食べるに限ります。

あぁ、すみません。私は食べものネタになると、書く手が止まらないのです。ちなみに食べものネタをしゃべっている時はもっとすごいです。まるで食べものの霊が降りてきたんじゃないかというくらい話し方が変って、イタコ(霊媒師)のようになって平気で30分、1時間としゃべり倒してしまいます。前回もこのクラムのうまさをどうしても伝えたくて、たんぽぽのスタッフにメールに書いて送りつけたところ、スタッフのうち5家族が事前打ち合わせもなしに、ベルマーのシーフードフェスティバルに出没してしまったのです。「噂の生クラム」を食べに。恐るべし私の食べものトーク。ということで私の食べ物ネタをライブで聞きたい方はどうぞご連絡を。
あぁ、それで本題、「ベルマー」でしたね。若者で賑わうベルマービーチですが、前号の取材の途中でサンドキャッスルコンテストなるものが7月の上旬にあるということがわかりました。調べてみるとニュージャージーで唯一に近いコンテストで、近隣ではどうもここだけのよう(あとはNYのEast Hamptonというビーチ)。「歩くNJ観光局」の私としては、こんな面白そうなイベント、行っとかなあかんでしょうーー!そして帰りにはもちろん、Klien’s(ムフフ)。

◆夏のイベントサンドキャッスルコンテストへ
コンテストは7月7日、七夕の日に行われました。平日ということでだんなは不参加。私の友達Rさんとその子ども達と一緒に、ベルマーに向かいました。このサンドキャッスルコンテスト、申し込みは8時からスタート、12時までに作品を作り上げるというスケジュールとなっていたので、家を9時半過ぎに出て、10時半に到着、子どもを遊ばせながら小さい作品でも作ろう・・・と思っていましたが、甘かった。ビーチはなんといっても駐車場所を確保するのに一苦労なのです。会場近くの路上はすでにいっぱい、何ブロックも奥に入っても見つからない。ぐるぐるとそのあたりを走り回って、パーキングを見つけたのはベルマーに着いてから30分以上も経ってからでした。荷物を降ろし、子どもを歩かせ、会場に着いた時には11時をとっくに過ぎていて、どう考えても作品など作れそうもない、と早々に諦めました。

会場にはものすごい数の人がうようよといて、自分達の陣地を探すのにもまた一苦労。サマーキャンプの子ども達、家族連れ、カップル、ティーンエイジャーなどなど、いろんな人が入り混じっていました。そして、砂浜にはパラソルやビーチチェアに混じっていろいろなものが垣間見えるのです!そう!これが「サンドキャッスル」なのです。

ではここで、サンドキャッスルの説明を。サンドキャッスル、日本語に訳すと「砂の城」ですね。ほら、子どもの頃に海水浴に行ったら、砂浜で山作ったりトンネル掘ったり、しませんでしたか?あれを高度にしたやつのことです。氷の彫刻の砂版、といったらわかりやすいでしょうか。こちらでは砂を使った彫刻や砂の造形が一種のアートになっていて、プロの砂彫刻家もいるんです。砂の彫刻を美しく作るには、まず砂を海水で湿らせて積み上げて固め、形を大方作ってから削って作品に仕上げていくのだそうです。もちろんプロみたいにきちんとやらなくても、楽しい作品が作れるのが、砂の彫刻のいいところ。レジストレーションにすっかり遅れてしまった私たちは、観客に徹することにしました。

それにしても、なんて面白い作品が並んでるんでしょうか!もちろん正統派のお城を作っているところも多かったのですが、大きなロブスター、アニメのSHREK、たこ、フォルクスワーゲンのビートル、寝てる人、カメの親子、てんとう虫、サメ、バースデーケーキ、ボーリング、ベルマーの形、星条旗、バービーのお庭・・・などなど、どれもアイデアいっぱいで楽しいものばかり。ここで全てをお見せすることができないのが、本当に残念です。そして12時からジャッジの皆さんが砂浜を回って審査を始めました。そして1時間後、7歳以下、8-11歳、12-16歳、16歳以上、ファミリー、デイキャンプ、そして大賞がそれぞれ発表されました。16歳以上の優勝者はロブスター、大賞はALL ALONEになりました。いやいや、どれも力作でした?。

いろんな作品を見ていると、だんだん自分も作りたくなって、波打ち際でちょこっと造ってみました・・・キティーちゃん。ムール貝の貝殻で名前を書きました。ギャラリーの受けはよかったんですが、あっけなく10分後に波にさらわれてしまいました。あぁ・・・

◆海のあとのお楽しみ・・・
さて軽い労働のあとはKlien’sへ。お店の方に醤油を持ってきてもらい、生クラム醤油つきを味わいました。友人いわく「日本でもこんなおいしい貝、食べたことない」とのこと。2人で協議の結果、「生クラムはレモン+醤油一滴」が一番おいしいということになりました。

そしてレストランを出ると、向かいにとっても気になるイタリアンアイス(シャーベット)屋さんを発見。行ってみるとそこのアイスはすべて手作りで、イタリアンアイスは10種類以上、ソフトクリームもありました。そして、それらを4つまで組み合わせることができるのです!いろいろ味わいたい私にとってはもう目がキラキラもん。しかも、スモールサイズ(といっても結構な量がある)が1.75ドルですよ!安い、うまいには、私弱いんです・・・。

かくして「サンドキャッスルコンテスト→シーフード→イタリアンアイス」というコースは、三重丸!の1日でした。

The 18th Annual New Jersey Sandcastle Contest
http://www.njsandcastle.com

Klien‘s Seafood
Corner of Main St. & River Rd.(5th St.) Belmar, NJ 07719
tel: (732) 681-1177 http://www.kleinsfishmkt.com

Strollos Italian Ice
500 Main St. Belmar, NJ 07719(Klien’sの斜め向かい)
tel: (732) 681-6147

(たんぽぽ2004年9,10月号)